社労士の費用まとめ|受験手数料・登録費用と教育訓練給付金

費用・給付金

社会保険労務士(社労士)の取得にかかる費用を、受験手数料・教材費・講座費用・合格後の登録費用に分けて、厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会(連合会)・試験オフィシャルサイトの公表情報に基づいてまとめました。本ページの内容は2026年11月2日時点の確認です。

試験日程・合格率などの試験データはデータ総合ページにまとめています。

→ 社労士の試験日程・合格率・申込方法

結論:社労士は「合格後の費用」が大きい資格

社労士の費用は、2段階に分かれます。

  • 受験まで:受験手数料 15,000円(非課税)+払込手数料(インターネット418円/郵送203円)+教材費・講座費用(任意)
  • 合格後(社労士として登録する場合):登録免許税 30,000円+登録手数料 30,000円=60,000円が全国共通で必要です。これに加えて、所属する都道府県社会保険労務士会の入会金・年会費がかかります(金額は会ごとに異なります)。さらに、実務経験が2年未満の人は、登録の前に事務指定講習の受講料77,000円(税込)が必要です

ポイントは、合格後の費用が「登録して社労士として業務を行う人」に発生するものだということです。登録のタイミングは業務の開始時期に合わせて選べます(後述)。年会費は登録している間ずっとかかる継続費用である点も、予算に入れてください。

受験手数料の内訳

  • 受験手数料:15,000円(非課税)。これとは別に、払込みに係る手数料が必要です(インターネット申込み418円/郵送申込み203円)。

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト 第58回受験案内

注意点は次のとおりです。

  • 試験は年1回だけです。不合格の場合は翌年の試験を再受験することになり、その都度15,000円と払込手数料がかかります。
  • 社労士試験には受験資格があり、申込時に受験資格証明書の提出が必要です。証明書の取得自体に費用がかかる場合があります(発行機関ごとに異なるため、本ページでは合算していません)。証明書の取り寄せには日数がかかる場合があるため、申込期間(締切は例年5月31日)より前に手配してください。
  • 公式案内では受験手数料の減免制度は確認できませんでした(2026年11月2日時点)。

教材費(公式に無料で使えるもの)

社労士には、試験センターや連合会が発行する受験対策用の「公式テキスト」は確認できませんでした。一方、教材費を抑える公式の材料があります。

  • 公式の過去問題:無料。試験オフィシャルサイトで試験問題が公開され、正答は合格発表日に公表されます。2026年11月2日時点で、少なくとも直近2回分の問題(選択式・択一式)と直近3回分の正答を公式に確認できました(解説は付いていません)。

市販テキスト・問題集の価格は出版社・年度版ごとに異なるため、本ページでは記載しません。選び方は独学ガイドで解説しています。

→ 社労士の独学ガイド

なお、社労士の出題法令は「試験年度の4月10日現在で施行されているもの」が基準です。旧年度のテキストを使い回すと法改正に対応できず、再受験(翌年・15,000円)のリスクが上がります。教材は受験年度版を選んでください。

講座費用について

通信講座の料金は事業者・コースごとに異なるため、各講座の料金・教材形式・サポート内容の比較は通信講座比較ページにまとめています。給付金(次項)の対象講座かどうかで実質負担が変わるため、あわせて確認してください。

→ 社労士の通信講座比較

教育訓練給付金:対象になるのは「指定講座」だけ

制度の仕組み(一般教育訓練給付金)

教育訓練給付金は、雇用保険の制度です。厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講し、修了した場合に、支払った受講費用の一部がハローワークから支給されます。社労士講座で関係するのは、主に「一般教育訓練給付金」です。

  • 給付額:受講費用の20%(上限10万円)。ただし給付額が4千円を超えない場合は支給されません
  • 支給の条件は「講座の修了」であり、試験の合否ではありません
  • 申請期限:修了日の翌日から1か月以内に、管轄のハローワークへ申請が必要です

出典:ハローワーク「教育訓練給付金」/厚生労働省「教育訓練給付金」

対象になる人・ならない人

受講開始日時点で、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 雇用保険の被保険者で、雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めて給付を受ける場合は1年以上で可)
  • 離職者で、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内、かつ雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めての場合は1年以上で可)

対象にならない主なケース:

  • 雇用保険の加入期間が不足している
  • 受講開始日の前日から3年以内に、教育訓練給付金の支給を受けたことがある
  • 講座が厚生労働大臣の指定を受けていない(次項)
  • 講座を修了できなかった場合

自分が対象かどうかは、受講開始前にハローワークで「支給要件照会」をすると確認できます。

資格ではなく「講座ごと」に指定が違う

給付の対象かどうかは資格単位ではなく講座単位で決まります。社労士講座では、2026年11月2日時点で、各社の公式情報で次の講座が一般教育訓練給付金の対象として表示されていることを確認しました(Bページ=通信講座比較の確認結果)。

  • ユーキャン:社会保険労務士(社労士)合格指導講座
  • フォーサイト:バリューセット1・2・3
  • アガルート:入門カリキュラム/フル、中上級カリキュラム/フル
  • クレアール:一発ストレート合格パーフェクトコース
  • 資格の大原:社労士合格コース(教室通学)。大原の指定講座一覧(令和8年4月・札幌校)で一般教育訓練の指定講座として掲載されていることを確認したもので、校舎・受講形態によって指定の有無が異なる場合があります

一方で、すべての社労士講座が対象というわけではありません。申し込む前に、必ず公式の検索システムで、その講座が指定を受けているかを確認してください。指定は毎年4月と10月に更新されます。

合格後の費用:登録免許税・登録手数料・都道府県会の入会金と年会費

合格しただけでは、社労士として業務はできません。社労士になるには、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿への「登録」が必要です。

登録の前提:実務経験2年、または事務指定講習

登録には、次のいずれかが必要です。

  • 労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事した実績
  • 厚生労働大臣が指定した講習(事務指定講習)の修了

出典:厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」、全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士になるには」

事務指定講習(実務経験が2年未満の人)

事務指定講習(正式名称:労働社会保険諸法令関係事務指定講習)は、連合会が厚生労働大臣の認定を受けて実施する、登録要件を代替する講習です。

  • 受講料:77,000円(税込)
  • 形式:通信指導課程(4か月、郵送添削)+eラーニング講習(8科目、1科目=動画3時間、科目ごとにテストあり)
  • 第46回(令和8年度)の申込期間は2026年11月4日10:00〜11月25日23:59(Web申込)です
  • 修了証に有効期限はありません

出典:全国社会保険労務士会連合会「事務指定講習」

なお、試験科目の免除を受けるための「免除指定講習」は別の講習です。登録ルートの費用と混同しないでください。

登録時にかかる全国共通の費用

手続き 金額 備考
登録免許税 30,000円 登録に必要な税金
登録手数料 30,000円 連合会への登録手数料
合計 60,000円 都道府県会の入会金・年会費は含みません

出典:全国社会保険労務士会連合会「登録申請のオンライン申請について」

登録すると、事務所・勤務先・住所地に応じた都道府県社会保険労務士会に自動的に所属します。2025年7月15日からはマイナポータル経由のオンライン申請も可能ですが、都道府県会への入会手続きは別途必要です。

入会金・年会費は都道府県会ごとに異なる(全国一律ではない)

入会金・年会費の金額は、所属する都道府県社会保険労務士会ごとに定められます。全国一律の金額は存在しません。連合会の案内でも、都道府県会の入会金・年会費等はオンライン申請の決済対象に含まれず、所属する都道府県会に確認するよう明記されています。

公式に確認できた例として、東京都社会保険労務士会の金額は次のとおりです(あくまで東京都会の例であり、他の都道府県会の金額を示すものではありません)。

会員区分(東京都会の例) 入会金 年会費
開業会員 50,000円 96,000円(月8,000円。初年度は月割り)
勤務等会員 30,000円 42,000円(月3,500円。初年度は月割り)

出典:東京都社会保険労務士会「入会のご案内」

年会費は登録している間かかり続ける費用です。開業するか勤務社労士になるかでも区分と金額が変わるため、登録前に所属先の都道府県会の公式案内で必ず確認してください。

登録は「必要になってから」でよい

社労士として業務に従事する予定のない方は、登録を急ぐ必要はありません。開業・勤務の予定が決まってから登録すれば、入会金と年会費の発生を先送りできます。事務指定講習の修了証に有効期限はないため、実務経験が2年に満たない人も、講習の修了を先に済ませておく進め方が可能です。

費用を抑える現実的な方法

  1. 公式の過去問を演習の中心にする:直近2回分の問題と直近3回分の正答が無料公開されています。解説は市販問題集や講座で補う形にすると、教材費を絞れます。
  2. 教材は受験年度版を1シリーズに絞る:法令基準日(4月10日)の関係で旧年度版は使えません。中古の旧版を買う節約は、再受験リスクと釣り合いません。
  3. 実務経験を積める環境があるか確認する:登録に必要な実務経験(2年以上)が勤務先で積める場合、事務指定講習の77,000円をかけずに登録できます。逆に積めない場合は、講習の申込時期(年1回の募集)を逃さないことが先決です。
  4. 登録・入会は必要になるまで先送りする:登録免許税・登録手数料60,000円と入会金は登録時の一度きりですが、年会費は継続費用です。業務開始の見通しが立ってから登録すれば、払う年会費の年数を抑えられます。
  5. 講座を使うなら給付金の対象講座から選ぶ:対象講座なら受講費用の20%が戻ります(上限10万円、条件あり)。
  6. 勤務先の資格取得支援制度・資格手当を確認する:受験料や登録費用を補助する制度、合格後の資格手当を設けている会社があります。金額や条件は会社ごとに異なるため、就業規則や人事の案内で確認してください。

よくある質問

Q. 受験から社労士登録まで、公的費用の合計はいくらですか?

A. 受験手数料15,000円(+払込手数料)+登録時の60,000円(登録免許税30,000円+登録手数料30,000円)が全国共通分です。これに、所属する都道府県会の入会金・年会費(会ごとに異なる)と、実務経験が2年未満の場合は事務指定講習77,000円が加わります。教材費・講座費用は各自の選択に応じて別途かかります。

Q. 入会金と年会費は全国同じですか?

A. 同じではありません。都道府県社会保険労務士会ごとに定められます。例として東京都会は、開業会員で入会金50,000円・年会費96,000円、勤務等会員で入会金30,000円・年会費42,000円です。所属先の都道府県会の公式案内で確認してください。

Q. 合格後に登録しないと、合格は取り消されますか?

A. 登録は社労士として業務を行うための手続きです。従事する予定がなければ登録を急ぐ必要はありません。ただし、登録には実務経験2年以上または事務指定講習の修了が必要なため、登録する時期に合わせて要件を満たす準備をしてください。

Q. 事務指定講習はいつ受けられますか?

A. 連合会が実施し、申込は年1回の募集です。第46回(令和8年度)は2026年11月4日〜11月25日が申込期間です。受講料は77,000円(税込)で、修了証に有効期限はありません。

Q. 教育訓練給付金は、独学でも使えますか?

A. 使えません。対象は厚生労働大臣の指定を受けた「講座」を受講・修了した場合のみです。事務指定講習の受講料が給付金の対象かどうかは、公式情報で確認できなかったため、本ページでは対象として記載していません。

当ページの情報は2026年11月2日時点のものです。手数料や給付制度は変更される場合があるため、申込・申請前に試験オフィシャルサイト・連合会・所属先の都道府県会の最新案内を必ずご確認ください。

出典

出典(すべて2026-11-02確認):

  • 社会保険労務士試験オフィシャルサイト 第58回受験案内(受験手数料15,000円・非課税、払込手数料はインターネット418円/郵送203円):https://www.sharosi-siken.or.jp/wp-content/uploads/2026/04/58kaiannai.pdf
  • 社会保険労務士試験オフィシャルサイト 試験問題・「合格基準及び正答」(直近2回分の問題と直近3回分の正答を公式確認。正答は合格発表日に公表、解説なし)
  • 厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」(登録には労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事、または厚生労働大臣が指定した講習の修了が必要):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76425.html
  • 全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士になるには」(登録の要件、登録すると都道府県会に自動所属):https://www.shakaihokenroumushi.jp/qualification/
  • 全国社会保険労務士会連合会「登録申請のオンライン申請について」(登録免許税30,000円・手数料30,000円。都道府県会の入会金・年会費等は含まれず各都道府県会に確認する旨。2025年7月15日からマイナポータル経由の申請が可能):https://www.shakaihokenroumushi.jp/qualification/online/
  • 全国社会保険労務士会連合会「事務指定講習」(受講料77,000円(税込)、通信指導課程4か月+eラーニング8科目、修了証に有効期限なし、第46回申込期間2026年11月4日〜11月25日):https://www.shakaihokenroumushi.jp/qualification/practical.html
  • 東京都社会保険労務士会「入会のご案内」(東京都会の例:開業会員 入会金50,000円・年会費96,000円、勤務等会員 入会金30,000円・年会費42,000円):https://www.tokyosr.jp/profile/entrance/
  • ハローワーク「教育訓練給付金」(一般教育訓練:経費の20%・上限10万円、支給対象者の要件、4千円を超えない場合は不支給、修了後1か月以内の申請):https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
  • 厚生労働省「教育訓練給付金」(3区分の概要、検索システムで指定講座を確認可能):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
  • 教育訓練講座検索システム:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/
  • Bページ(通信講座比較)の確認結果:ユーキャン合格指導講座、フォーサイト バリューセット1・2・3、アガルート 入門・中上級カリキュラムのフル、クレアール 一発ストレート合格パーフェクトコースは一般教育訓練給付金の対象として各社公式情報に表示あり。資格の大原 社労士合格コース(教室通学)は大原の指定講座一覧(令和8年4月・札幌校)で指定を確認。

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