登録販売者試験を独学で目指す人向けに、教材の選び方と勉強の進め方を、厚生労働省の公表資料に基づいてまとめました。本ページの内容は2026年11月2日時点の確認です。
登録販売者試験は都道府県ごとに実施され、試験日・受験手数料・合格率は受験地で異なります。試験データはデータ総合ページにまとめています。
結論:独学の公式ルートが整っている。出題範囲は「手引き」そのもの
登録販売者は独学で合格を目指しやすい試験です。理由は、出題範囲が厚生労働省の「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」そのもので、この手引きが公式サイトで公開されていることです。試験問題は手引きに基づいて作成されるため、「何が出るか」の原典が誰でも確認できます。
さらに、試験問題・正答は試験実施後に公表することとされており、多くの都道府県が公式サイトで過去問題を公開しています。受験地の過去問を入手できれば、本試験の水準を直接確かめながら学習できます。
一方で、合格には総得点の基準に加えて項目ごとの足切りがあり、1項目でも基準に届かなければ不合格です。範囲も医薬品の成分や作用まで及ぶため、「手引きがあるから簡単」という試験ではありません。項目バランスを見ながらの計画的な学習が結果を左右します。
出典:厚生労働省「登録販売者試験実施要領」「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
出題範囲の全体像(5項目・120問)
出題範囲は厚生労働省の手引きで、試験項目と問題数は実施要領で次のように定められています(筆記試験・120問・240分)。
| 試験項目 | 出題数 | 配分時間 |
|---|---|---|
| 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
| 人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
| 主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
| 薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
| 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
中心は第3項目「主な医薬品とその作用」で、全体の3分の1(40問)を占めます。一般用医薬品の成分名、その作用、漢方・生薬の知識など、暗記量が多い項目です。
合格基準は、総出題数に対して7割程度の正答に加え、各試験項目ごとに都道府県知事が定める一定割合以上の正答が必要です。この割合は実施地で異なるため(東京都の令和8年度は各項目35%以上)、受験地の受験案内で必ず確認してください。
手引きは原則として年1回改訂され、最新版は「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」です。古い年度の過去問を解く際は、現在の手引きと内容が異なる場合がある点に注意してください。
出典:厚生労働省「登録販売者試験実施要領」、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」、東京都保健医療局「令和8年度登録販売者試験について」
独学が向いている人・向いていない人
向いている人
- 手引きと過去問の往復で、地道に暗記と演習を積み上げられる人
- 項目ごとの得点を自分で記録し、弱い項目を把握しながら進められる人
- ドラッグストア等での勤務経験があり、医薬品の実物イメージがある人
独学が負担になりやすい人
- 手引きの分量の多さに圧倒され、どこから手をつけるか判断できない人
- 第3項目の成分名・漢方・生薬の暗記を一人で回し続けるのがつらい人
- 項目別の足切りを意識した学習配分を自分で管理するのが不安な人
勉強時間の目安について
勉強時間について、厚生労働省や都道府県による公式統計は存在しません。学習案内では数百時間規模の目安が示されることがありますが、前提知識(医薬品や人体に関する学習経験、ドラッグストア等での勤務経験)で大きく変わるため、本ページでは断定的な時間数は記載しません。
目安の代わりに、次の考え方で計画を立ててください。
- 受験する都道府県と試験日を先に決め、残り期間から逆算する(試験日は都道府県ごとに異なります)
- 手引きの5項目それぞれの分量と、過去問演習(受験地の公開分+市販問題集)の分量を見積もる
- 1日・1週間あたりに確保できる時間を当てはめ、無理のない開始時期を決める。項目別に得点を記録し、足切りに近い項目へ時間を寄せる前提で配分する
なお、次回・令和9年度の日程は2026年11月2日時点で各都道府県から公表されていません。受験地の公示を確認してください。
教材の選び方
最重要:手引きの最新版に対応していること
登録販売者の教材選びの基準はシンプルで、最新の手引きに対応した年度版かどうかです。手引きは原則として年1回改訂されるため、前年度版のテキストでは改訂点で誤った知識を覚える可能性があります。独学でコストを抑える場合も、テキストは受験する年度の手引き対応版をそろえるのが安全です。手引き自体は厚生労働省のサイトで無料で確認できます。
出典:厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
教材の組み立て方
- 手引き(原典):厚生労働省が公開する出題範囲そのものです。市販テキストで学んだ内容の確認や、改訂点のチェックに使います。分量が多いため、最初から手引きだけで学ぶより、市販テキストと併用するのが現実的です。
- テキスト:最新手引き対応の基本テキスト1冊に絞る。複数冊を併用すると、説明の順序や用語の違いで混乱しやすくなります。
- 過去問:受験する都道府県が公式公開している過去問題が演習の中心です。東京都は令和8年度の試験問題(午前・午後)と正答を公式サイトで公開済みです。近隣の都道府県が同じ日に同じ問題で実施するケースもあるため、同じ問題を使う実施地の過去問も演習材料になります。ただし年度が古い問題は、現在の手引きと内容が異なる場合があります。
- 問題集・一問一答:市販の問題集で演習量を補います。第3項目の成分・漢方・生薬は、繰り返し解く形式の教材が向いています。
- 模擬試験:120問・240分の通し演習で時間配分を確認します。本番は1問あたり2分です。
受験地によって「本番の問題」が違う点に注意
問題は全国一律ではありません。実施日や問題は都道府県(ブロック)ごとに異なります。演習では、まず自分の受験地の過去問を優先し、不足分を他の実施地の過去問で補う順序にしてください。
勉強の進め方(ステップ)
- 全体像をつかむ:手引きの5項目の構成と、受験地の過去問1年分に目を通し、試験の姿を把握する
- テキストを通読する:第1項目(医薬品の特性と基本知識)から順に進め、項目ごとに手引きの該当範囲と照らし合わせる。最初は細部を覚えようとせず、用語と仕組みの枠組みを理解する段階と割り切る
- 項目別に過去問を回す:テキストの1項目が終わるごとに、その項目の過去問を解く。項目ごとに得点を記録し、足切りの水準(受験地の基準)に届いていない項目を早期に把握する
- 第3項目は早めに・繰り返し:40問を占める「主な医薬品とその作用」は暗記量が多く、短期集中が効きにくい項目です。成分名・作用・漢方・生薬を少しずつ、繰り返し触れる計画にしてください
- 法規・制度と安全対策は後半に厚く:第4項目(薬事関係法規・制度)と第5項目(適正使用・安全対策)は制度と数字の整理が中心で、直前期の追い込みが効く項目です。ただし足切りがあるため、ゼロのまま直前期を迎えないこと
- 通し演習と足切りの最終確認:120問・240分の通し演習を繰り返し、総得点だけでなく項目ごとの得点がすべて基準を超えているかを確認する
つまずきやすい点
- 第3項目の暗記量:成分名や漢方・生薬は数が多く、似た名前同士を取り違えやすい分野です。分野を細かく区切り、間隔を空けて繰り返す方法が有効です。
- 項目別の足切り:総得点が7割を超えても、1項目でも基準に届かなければ不合格です。「得意項目で稼ぐ」だけの計画は危険で、弱い項目の底上げが必須です。
- 手引きの改訂による旧教材のズレ:手引きは年1回改訂されます。前年度版のテキストや古い過去問では、現在の正解と異なる場合があります(教材の選び方の項参照)。
- 受験地ごとの違いの見落とし:試験日・申込期間・合格基準の項目別割合は実施地で異なります。全国共通の情報だけで計画を立てず、受験地の受験案内を起点にしてください。
- 第2項目(人体の働き)の仕組み理解:臓器や神経の働きは暗記だけでは応用問題に対応しにくい項目です。図解のあるテキストで仕組みから理解すると定着しやすくなります。
独学と通信講座の切り分け
- 独学で進めやすいケース:手引きと受験地の過去問で自己採点しながら進められる場合/医薬品に関する勤務・学習経験がある場合/項目別の得点管理を自分で続けられる場合
- 通信講座を検討したいケース:手引きの分量に対して学習範囲の取捨選択を任せたい場合/第3項目の暗記を演習の仕組みで回したい場合/受験地の試験日に合わせた受講期限の管理まで含めて計画したい場合
費用と学習スタイルの比較は、通信講座比較ページにまとめています。
よくある質問
Q. 出題範囲の「手引き」はどこで手に入りますか?
A. 厚生労働省のサイトで公開されています。最新版は「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」です。市販テキストもこの手引きに基づいて作られています。
Q. 過去問は無料で手に入りますか?
A. 試験問題・正答は実施後に公表することとされており、多くの都道府県が公式サイトで公開しています。東京都は令和8年度の問題と正答を公開済みです。受験地の公式サイトで確認してください。年度が古い問題は、現在の手引きと内容が異なる場合があります。
Q. 前年度のテキストを使い回せますか?
A. おすすめしません。手引きは原則として年1回改訂され、改訂点で正解が変わる場合があるため、受験年度の手引きに対応した教材を使ってください。
Q. 項目別の足切りはどの都道府県でも同じですか?
A. 同じではありません。各試験項目ごとに都道府県知事が定める割合以上の正答が必要で、割合は実施地で異なります。東京都の令和8年度は各項目35%以上です。受験地の受験案内で確認してください。
当ページの情報は2026年11月2日時点のものです。学習を始める前に、受験する都道府県の最新案内を必ずご確認ください。
出典
出典(すべて2026-11-02確認):
- 厚生労働省「登録販売者試験実施要領」(5項目・120問・240分、合格基準は総出題数に対して7割程度+各項目ごとに都道府県知事が定める一定割合以上、試験問題・正答は実施後に公表):https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3665&dataType=1&pageNo=1
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(出題範囲の原典、原則年1回改訂):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html
- 東京都保健医療局「令和8年度登録販売者試験について」(項目別正答率35%以上、令和8年度の試験問題・正答を公式公開):https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/iyaku/tourokushiken/R8shiken
- 厚生労働省「登録販売者制度の取扱い等について」(令和5年3月31日 薬生発0331第16号。試験問題・正答・合格基準は公表することが望ましい旨):https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7567&dataType=1&pageNo=1

コメント