宅地建物取引士(宅建)の取得にかかる費用を、受験手数料・教材費・講座費用・合格後の登録費用に分けて、不動産適正取引推進機構(RETIO)と厚生労働省、都道府県の公表情報に基づいてまとめました。本ページの内容は2026年11月2日時点の確認です。
試験日程・合格率などの試験データはデータ総合ページにまとめています。
結論:宅建は「合格後の費用」が発生する資格
宅建の費用は、2段階に分かれます。
- 受験まで:受験手数料 8,200円(必須)+教材費・講座費用(任意)
- 合格後(宅建士として働く場合のみ):登録手数料 37,000円+取引士証交付手数料 4,500円=41,500円。実務経験が2年未満の人は、その前に登録実務講習の受講料が別途かかります
ポイントは、合格後の登録・交付は「宅建士として業務に従事する人」が必要とする手続きだということです。従事する予定がなければ登録しなくても合格は有効なままです(後述)。当面働く予定がないなら、合格後の41,500円は先送りできます。
受験手数料の内訳
- 受験手数料:8,200円(非課税)。申込はインターネットまたは郵送で、手数料は同額です。
出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)試験案内
注意点は次のとおりです。
- 試験は年1回だけです。不合格の場合は翌年の試験を再受験することになり、その都度8,200円がかかります。年1回しか機会がない分、「あと1回の受験料」を避ける準備の比重が大きい試験です。
- 申込後のキャンセル・欠席でも手数料は戻らない扱いが一般的です。申込前に、試験日(例年10月)時点の予定を確認してください。
教材費(公式に無料で使えるもの)
宅建には実施団体が発行する「公式テキスト」はありませんが、教材費を抑える公式の材料があります。
- 公式の過去問題:無料。RETIOのサイトで、昭和63年度から令和7年度までの試験問題と正解番号表がPDFで公開されています(解説は付いていません)。
市販テキスト・問題集の価格は出版社・年度版ごとに異なるため、本ページでは記載しません。選び方は独学ガイドで解説しています。
→ 宅建の独学ガイド
なお、宅建の出題法令は「試験年度の4月1日現在で施行されているもの」が基準です。旧年度のテキストを使い回すと法改正に対応できず、再受験(翌年・8,200円)のリスクが上がります。教材は受験年度版を選んでください。
講座費用について
通信講座の料金は事業者・コースごとに異なるため、各講座の料金・教材形式・サポート内容の比較は通信講座比較ページにまとめています。給付金(次項)の対象講座かどうかで実質負担が変わるため、あわせて確認してください。
教育訓練給付金:対象になるのは「指定講座」だけ
制度の仕組み(一般教育訓練給付金)
教育訓練給付金は、雇用保険の制度です。厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講し、修了した場合に、支払った受講費用の一部がハローワークから支給されます。宅建講座で関係するのは、主に「一般教育訓練給付金」です。
- 給付額:受講費用の20%(上限10万円)。ただし給付額が4千円を超えない場合は支給されません
- 支給の条件は「講座の修了」であり、試験の合否ではありません
- 申請期限:修了日の翌日から1か月以内に、管轄のハローワークへ申請が必要です
出典:ハローワーク「教育訓練給付金」/厚生労働省「教育訓練給付金」
対象になる人・ならない人
受講開始日時点で、次のいずれかを満たす必要があります。
- 雇用保険の被保険者で、雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めて給付を受ける場合は1年以上で可)
- 離職者で、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内、かつ雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めての場合は1年以上で可)
対象にならない主なケース:
- 雇用保険の加入期間が不足している
- 受講開始日の前日から3年以内に、教育訓練給付金の支給を受けたことがある
- 講座が厚生労働大臣の指定を受けていない(次項)
- 講座を修了できなかった場合
自分が対象かどうかは、受講開始前にハローワークで「支給要件照会」をすると確認できます。
資格ではなく「講座ごと」に指定が違う
給付の対象かどうかは資格単位ではなく講座単位で決まります。具体例として、ユーキャンの案内資料(2026年10月1日現在)では、「宅地建物取引士」講座と「宅地建物取引士短期」講座のいずれも一般教育訓練給付金の対象講座に含まれています。一方で、すべての宅建講座が対象というわけではありません。
申し込む前に、必ず公式の検索システムで、その講座が指定を受けているかを確認してください。指定は毎年4月と10月に更新されます。
教育訓練講座検索システム:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/
なお、登録実務講習の受講料は、この給付金の対象として確認できていません(次項)。給付金の計算に含めないでください。
合格後の費用:登録手数料・交付手数料・2つの講習
合格しただけでは、宅建士として重要事項の説明などの業務はできません。業務に従事するには、都道府県知事の「登録」と「宅地建物取引士証の交付」が必要です。
登録手数料と交付手数料(公的手数料)
| 手続き | 手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| 資格登録 | 37,000円 | 受験した都道府県へ申請。金額は政令の標準額に基づく |
| 宅地建物取引士証の交付 | 4,500円 | 登録後に別途申請。有効期間は5年 |
出典:東京都住宅政策本部「宅地建物取引士資格登録申請」「宅地建物取引士証の交付申請」
手数料は都道府県の手数料条例で定められますが、政令の標準額に基づき全国で同額となっています。申請先の都道府県の案内で最終確認をしてください。
書類の取得費用(住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書など)が別途かかります。金額は発行機関・通数で異なるため、本ページでは合算していません。
登録実務講習(実務経験が2年未満の人)
登録には、申請時から過去10年以内に宅建業の実務経験が2年以上あることが必要です。これがない人は、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録実務講習を修了することで登録できます。
- 修了の有効期間は、修了年月日から10年間
- 受講料は実施機関ごとに異なります。全国一律の公式価格は存在しないため、本ページでは金額を記載しません。機関の一覧は国土交通省の案内と各都道府県の案内で確認できます
出典:東京都住宅政策本部「宅地建物取引士資格登録申請 実務経験、登録実務講習」
法定講習(交付が合格から1年を超える場合・更新時)
宅地建物取引士証の交付を、合格から1年を超えて受ける場合は、その前に法定講習の受講が必要です。また、取引士証の有効期間は5年のため、更新のたびに法定講習の受講と交付手数料4,500円がかかります。
法定講習の受講料は、実施する都道府県の指定団体ごとに異なります。全国一律の公式価格はないため、本ページでは金額を記載しません。
登録は「必要になってから」でよい
取引士として業務に従事する予定のない方は、登録の必要はありません。登録しなくても、試験の合格は有効です(東京都の公式案内)。合格自体に有効期限はないため、不動産業界への就職・転職が決まってから登録すれば、初期費用を抑えられます。
ただし、合格から1年を超えて取引士証の交付を受ける場合は法定講習が必要になる点には注意してください。
出典:東京都住宅政策本部「宅地建物取引士資格登録申請」
費用を抑える現実的な方法
- 公式の無料過去問を演習の中心にする:昭和63年度〜令和7年度の問題が無料公開されています。解説は市販問題集や講座で補う形にすると、教材費を絞れます。
- 教材は受験年度版を1セットに絞る:法令基準日(4月1日)の関係で旧年度版は使えません。中古の旧版を買う節約は、再受験リスクと釣り合いません。
- 登録・交付は必要になるまで先送りする:合格は失効しないため、従事予定がない段階で41,500円を払う必要はありません(交付が合格から1年を超える場合は法定講習が必要になる点だけ注意)。
- 講座を使うなら給付金の対象講座から選ぶ:対象講座なら受講費用の20%が戻ります(上限10万円、条件あり)。
- 勤務先の資格取得支援制度・資格手当を確認する:受験料や登録費用を補助する制度、合格後の資格手当を設けている会社があります。金額や条件は会社ごとに異なるため、就業規則や人事の案内で確認してください。
よくある質問
Q. 受験から宅建士証の取得まで、合計いくらかかりますか?
A. 公的手数料だけなら、受験手数料8,200円+登録手数料37,000円+交付手数料4,500円で49,700円です。実務経験が2年未満の人は登録実務講習の受講料(機関ごとに異なる)が、教材費・講座費用は各自の選択に応じて、別途かかります。
Q. 合格後に登録しないと、合格は取り消されますか?
A. 取り消されません。登録しなくても試験の合格は有効で、有効期限もありません。宅建士として業務に従事するときに登録・交付の手続きを行います。
Q. 教育訓練給付金は、独学でも使えますか?
A. 使えません。対象は厚生労働大臣の指定を受けた「講座」を受講・修了した場合のみです。登録実務講習の受講料についても、給付対象として確認できていないため、対象とみなさないでください。
Q. 取引士証の更新にはいくらかかりますか?
A. 更新のたびに交付手数料4,500円と法定講習の受講が必要です。法定講習の受講料は実施団体ごとに異なるため、更新時期に都道府県の案内で確認してください。有効期間は5年です。
Q. 登録手数料37,000円は全国同じですか?
A. 政令の標準額に基づいて都道府県の手数料条例で定められており、全国で同額となっています。申請先の都道府県の公式案内で最終確認をしてください。
当ページの情報は2026年11月2日時点のものです。手数料や給付制度は変更される場合があるため、申込・申請前にRETIO・厚生労働省・申請先の都道府県の最新案内を必ずご確認ください。
出典(すべて2026-11-02確認):
- 不動産適正取引推進機構(RETIO)試験案内(受験手数料8,200円・非課税、公式過去問題の公開):https://www.retio.or.jp/exam/exam_detail/
- 東京都住宅政策本部「宅地建物取引士資格登録申請」(登録手数料37,000円、登録しなくても合格は有効、登録は受験地の都道府県):https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/application/sinseiyousiki/touroku/
- 東京都住宅政策本部「宅地建物取引士資格登録申請 実務経験、登録実務講習」(実務経験は過去10年以内に2年以上、登録実務講習の修了は10年間有効、実施機関一覧):https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/application/sinseiyousiki/touroku/1_4
- ハローワーク「教育訓練給付金」(一般教育訓練:経費の20%・上限10万円、支給対象者の要件、4千円を超えない場合は不支給、修了後1か月以内の申請):https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
- 厚生労働省「教育訓練給付金」(3区分の概要、検索システムで指定講座を確認可能):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- 教育訓練講座検索システム:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/
- ユーキャン「教育訓練給付金(一般教育訓練)ご利用について」(2026年10月1日現在の対象講座一覧に「宅地建物取引士」「宅地建物取引士短期」を含む):https://www.club-off.com/gcu/contents/files/fukuri/img/gakumon_img/u-can/kyuhukin.pdf
※登録実務講習と法定講習の受講料は、実施機関・実施団体ごとに異なり全国一律の公式価格が存在しないため、本文では金額を記載していない。
※登録実務講習の受講料が教育訓練給付金の対象かどうかは、公式情報で確認できなかったため、本文では「対象として確認できていない」と明記した。



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