危険物取扱者 乙種第4類(乙4)の取得にかかる費用を、試験手数料・教材費・講座費用・合格後の免状交付費用に分けて、一般財団法人 消防試験研究センターと厚生労働省の公表情報に基づいてまとめました。本ページの内容は2026年11月2日時点の確認です。
試験日程・合格率などの試験データはデータ総合ページにまとめています。
→ 危険物取扱者 乙種第4類の試験日程・合格率・申込方法
結論:必須費用は試験手数料5,300円+免状交付の手数料
危険物乙4の費用構造は次のとおりです。
- 試験手数料:5,300円(必須、非課税)
- 教材費:独学の場合のみ。公式の公開問題は無料ですが、公開範囲は一部のみです
- 講座費用:通信講座を使う場合のみ(任意)
- 合格後の費用:免状の交付申請の手数料(都道府県の条例で定める額)。さらに、免状の写真は10年ごとに書換えが必要で、その都度手数料がかかります
簿記のように「合格して終わり」ではなく、合格後に免状交付の手続きと費用が発生する資格です。ただし金額の規模は小さく、費用の中心は学習方法の選択(独学か講座か)になります。
試験手数料の内訳
試験手数料:5,300円(非課税)。乙種(第1類〜第6類)共通の金額です。参考として、甲種は7,200円、丙種は4,200円です。
出典:消防試験研究センター 試験案内
注意点は次のとおりです。
- 再受験のたびに同額がかかります。不合格の場合、手数料の返金はありません。乙4は科目ごとにそれぞれ60%以上が必要な足切り型の基準のため、1科目でも基準に届かないと不合格になります。3科目のバランスを整えてから申し込むことが、再受験料の節約に直結します。
- 試験は都道府県ごとに実施され、日程は全国統一ではありません。全国どこの会場でも受験できるため、自宅や勤務先に近い会場・都合のよい日程を選ぶことで、交通費などの受験に付随する費用も抑えられます。
教材費(公式に無料で使えるもの)
危険物乙4には実施団体が発行する「公式テキスト」はありません。公式に使える教材は次のとおりです。
公式の公開問題:無料。消防試験研究センターが、令和7年度以前の出題から作成した乙4専用の公開問題(PDF)を公開しています。ただし公開は一部のみで、全問が公開されているわけではありません。
市販テキスト・問題集の価格は出版社・年度版ごとに異なるため、本ページでは記載しません。選び方は独学ガイドで解説しています。
公開問題だけでは演習量が不足しやすいため、「公式問題(無料)で水準測定→市販問題集で演習量を補う」という組み立てが、教材費を抑える基本形になります。
講座費用について
通信講座の料金は事業者・コースごとに異なるため、各講座の料金・教材形式・サポート内容の比較は通信講座比較ページにまとめています。給付金(次項)の対象講座かどうかで実質負担が変わるため、あわせて確認してください。
教育訓練給付金:対象になるのは「指定講座」だけ
制度の仕組み(一般教育訓練給付金)
教育訓練給付金は、雇用保険の制度です。厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講し、修了した場合に、支払った受講費用の一部がハローワークから支給されます。危険物取扱者の講座で関係するのは、主に「一般教育訓練給付金」です。
- 給付額:受講費用の20%(上限10万円)。ただし給付額が4千円を超えない場合は支給されません
- 支給の条件は「講座の修了」であり、試験の合否ではありません
- 申請期限:修了日の翌日から1か月以内に、管轄のハローワークへ申請が必要です
出典:ハローワーク「教育訓練給付金」/厚生労働省「教育訓練給付金」
対象になる人・ならない人
受講開始日時点で、次のいずれかを満たす必要があります。
- 雇用保険の被保険者で、雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めて給付を受ける場合は1年以上で可)
- 離職者で、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内、かつ雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めての場合は1年以上で可)
対象にならない主なケース:
- 雇用保険の加入期間が不足している
- 受講開始日の前日から3年以内に、教育訓練給付金の支給を受けたことがある
- 講座が厚生労働大臣の指定を受けていない(次項)
- 講座を修了できなかった場合
自分が対象かどうかは、受講開始前にハローワークで「支給要件照会」をすると確認できます。
資格ではなく「講座ごと」に指定が違う
給付の対象かどうかは資格単位ではなく講座単位で決まります。危険物取扱者については、具体例として次の講座が対象として確認できています。
ユーキャンの危険物取扱者講座:一般教育訓練給付金の対象として公式に表示されています。ユーキャンの案内資料(2026年10月1日現在)の対象講座一覧にも「危険物取扱者」が含まれています。
一方で、比較ページで扱った他の講座については、給付金対象の表示を確認できていません。「危険物の講座なら給付金が使えるはず」という思い込みは危険です。申し込む前に、必ず公式の検索システムで、その講座が指定を受けているかを確認してください。指定は毎年4月と10月に更新されます。
教育訓練講座検索システム:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/
合格後の費用:免状交付と10年ごとの写真書換え
合格しただけでは免状は交付されません。合格後に、消防試験研究センターの支部へ免状の交付申請を行います。
免状交付の手数料(都道府県が定める)
- 交付手数料は、都道府県の条例で定められています。そのため本ページでは、交付手数料の金額を全国一律のものとして断定しません。受験した支部(都道府県)の試験案内・交付申請の案内で、最新の額を確認してください。
- 紛失などによる再交付、本籍・氏名の変更などによる書換えの手数料も、同様に都道府県の定めによります。
- 申請には結果通知書や送付用封筒などが必要です。切手代などの実費は各自の申請方法で異なるため、本ページでは合算していません。
写真書換え(10年ごと)
危険物取扱者免状に貼付する写真は、交付から10年ごとに新しい写真への書換えが必要です。書換えの際にも、都道府県の定める手数料がかかります。金額は申請先の都道府県で確認してください。
つまり乙4の維持費用は「年会費」ではなく、「10年ごとの写真書換えの手数料」という形で発生します。
保安講習(業務に従事する場合)
実際に危険物の取扱作業に従事する場合は、消防法に基づく保安講習の受講義務があります。受講料は実施する都道府県・機関によって定められるため、本ページでは金額を記載しません。免状を持っているだけ(従事していない)場合は対象外ですが、就職・配属の際には勤務先とあわせて確認してください。
費用を抑える現実的な方法
- 公式の公開問題(無料)で現在地を測ってから教材を買う:科目ごとの正答率を見て、弱い科目に絞って市販問題集を足すと、教材費の無駄がありません。
- 科目バランスを整えてから申し込む:足切り型(科目ごとに60%以上)のため、得意科目で稼ぐ設計はできません。3科目そろって基準を超える状態で受験し、再受験料5,300円の繰り返しを避けてください。
- 近い会場・都合のよい日程で受ける:全国どこの会場でも受験できます。支部ごとの日程を比較し、移動の負担と付随費用を抑えてください。
- 他の乙種免状を持っている場合は科目免除を活かす:乙種の免状をすでに持っている人は、法令と基礎的な物理学・化学が免除され、性質・消火の10問だけになります。受験の範囲と準備時間を節約できます。
- 講座を使うなら給付金の対象講座から選ぶ:対象講座なら受講費用の20%が戻ります(上限10万円、条件あり)。ユーキャンの危険物取扱者講座は対象として公式表示があります。
- 勤務先の資格取得支援制度・資格手当を確認する:受験手数料や講座費用を補助する制度、合格後の資格手当を設けている会社があります。危険物乙4は工場・物流・ガソリンスタンドなどで手当の対象になりやすいため、就業規則や人事の案内で確認してください。
よくある質問
Q. 試験手数料はいくらですか?
A. 乙種は5,300円(非課税)です。甲種は7,200円、丙種は4,200円です。
Q. 免状の交付手数料はいくらですか?
A. 交付手数料は都道府県の条例で定められているため、本ページでは金額を断定していません。受験した支部(都道府県)の試験案内や交付申請の案内で、最新の額を確認してください。再交付・書換えの手数料も同様です。
Q. 免状の維持費はかかりますか?
A. 年会費のような維持費はありません。ただし、免状の写真は10年ごとに書換えが必要で、その際に都道府県の定める手数料がかかります。
Q. 教育訓練給付金は、独学でも使えますか?
A. 使えません。対象は厚生労働大臣の指定を受けた「講座」を受講・修了した場合のみです。市販教材での独学は対象になりません。
Q. 合格すれば自動で免状が届きますか?
A. 届きません。合格後に、自分で交付申請を行う必要があります。申請先は受験した支部(都道府県)です。
当ページの情報は2026年11月2日時点のものです。手数料や給付制度は変更される場合があるため、申込・申請前に消防試験研究センター・厚生労働省・受験先の都道府県の最新案内を必ずご確認ください。
出典(すべて2026-11-02確認):
- 消防試験研究センター 危険物取扱者試験案内(試験手数料:乙種5,300円・甲種7,200円・丙種4,200円、いずれも非課税。科目免除の扱い、公式公開問題は一部のみで乙4専用PDFを公開):https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/
- 富山県「危険物取扱者免状の交付・書換え・再交付に係る審査基準」(免状の交付・書換え・再交付の手数料が都道府県の定めによることを示す公式文書の一例):http://www.pref.toyama.jp.cache.yimg.jp/documents/9265/01442439.pdf
- ハローワーク「教育訓練給付金」(一般教育訓練:経費の20%・上限10万円、支給対象者の要件、4千円を超えない場合は不支給、修了後1か月以内の申請):https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
- 厚生労働省「教育訓練給付金」(3区分の概要、検索システムで指定講座を確認可能):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- 教育訓練講座検索システム:https://www.kyufu.mhlw.go.jp/
- ユーキャン 危険物取扱者講座(一般教育訓練給付金の対象として表示):https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/122/
- ユーキャン「教育訓練給付金(一般教育訓練)ご利用について」(2026年10月1日現在の対象講座一覧に「危険物取扱者」を含む):https://www.club-off.com/gcu/contents/files/fukuri/img/gakumon_img/u-can/kyuhukin.pdf
- ※免状の交付・写真書換え・再交付の手数料は都道府県の条例で定められるため、本文では金額を記載していない。申請先の都道府県・支部の案内で確認すること。
- ※保安講習の受講料は実施する都道府県・機関で異なるため、本文では金額を記載していない。
- ※市販テキスト・問題集の価格は出版社・年度版で異なるため、本文では金額を記載していない。



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